國立公園は、次の世代も、私たちと同じ感動を味わい楽しむことができるように、すぐれた自然を守り、後世に伝えていくところです。
そのために、國が指定し、保護し、管理する、役割を擔っています。
自然と觸れあうことにより、私たちは深い感動や安らぎを得ることができます。特に國立公園內は、自然の景観だけではなく、野生の動植物、歴史文化などの魅力に溢れています。更に日本の國立公園の特徴として、森林、農地、集落などの多様な環境が含まれており、ほとんど手つかずで殘された自然を探勝できる一方で、自然と人の暮らしが織りなす景勝地で歴史や文化に觸れることもできます。
國立公園は、世界にも類のない美しい自然を日本の寶として未來に引き継ぐ役割を擔っています。そのため、自然環境を保護?保全する姿勢を忘れずに國立公園を訪れ、四季折々に変化する日本の美しい自然を満喫してください。
狹い國土に大勢の人が住み、昔から土地をさまざまな目的で管理?利用してきた日本では、アメリカやオーストラリアなどのように國立公園の土地すべてを公園専用とすることが難しいです。そのため、日本の國立公園は、土地の所有に関わらず指定を行う「地域制自然公園制度」を採用しており、國立公園內にも多くの私有地が含まれています。國立公園內に住んでいる人も多く、農林業などの産業も行われていることから、國立公園の管理は、人々の暮らしや産業などとの調整をしながら進められています。保護の面でも利用の面でも多くの利害関係者がいることから、多様な主體の連攜による「協働型管理運営」が重要となっています。
自然公園法が主に保護の対象としているものは自然の風景地ですが、人が感じる風景には視覚だけでなく五感で感じるものまで含まれています。自然を包括的に認識することにより自然環境の保全や生物多様性の保全にも大きく寄與しています。
そのうえ國立公園は、區域を指定して自然環境を保全する制度としては日本で最も広い面積を有しています。標高の高い奧山の自然植生、大型哺乳類の分布域、山岳部に特有の動植物の分布域を広く含むなど、國土における生物多様性の屋臺骨としての役割を擔っています。
國立公園は、自然についての知識を深めたり、健康増進やレクリエーションのために自然とふれあうところでもあります。登山、ハイキング、スキー、キャンプ、カヌー、シュノーケリング、バードウォッチング、自然観察など自然とのふれあい方も多様です。こうしたアクティビティを多くの人に楽しんでもらえるよう、ビジターセンターや歩道、案內板等の施設の整備をはじめ、自然観察會なども開催しています。